自己資本規制比率とは
自己資本規制比率 (%) = 固定化されない自己資本の額 / リスク相当額 x 100
とういう計算方法で算出されます。
これが100%を下回ると「登録取り消し」になります。
って、ことは『「分子」の方が「分母」より大きくなくてはいけませんよ。』ということです。
その理由を考える前に、分子(固定化されない自己資本の額)と分母(リスク相当額)について簡単に説明します。
固定化されない自己資本の額(分子)
簡単に言うと
「固定化されていない自己資本の額」=「すぐに現金化できるお金」
ということ。
『固定化されない自己資本=基本的項目+補完的項目-控除資産』で表されます。
| 項目 |
細目(1) |
細目(2) |
説明 |
固定化
されて
いない
自己資本 |
基本的項目 |
資本金 |
資本と出資を受けた金額 |
| 資本剰余金 |
株式発行、増資、減資、
合併、等 |
| 利益剰余金 |
営業利益 |
| その他有価証券評価差額金 |
有価証券等金融資産の時価評価のマイナス分 |
| 自己株式 |
自社株式の取得額 |
| 補完的項目 |
引当金 |
想定した損失に相当する金額を事前に積み立てたお金 |
| 劣後債務 |
返済順位が劣る貸付金債権 |
| その他有価証券評価差額金 |
有価証券等金融資産の時価評価のプラス分 |
| 控除資産 |
固定的資産 |
建物・土地、前払金など、すぐに現金化できないもの |
FX業者において注目したいのは、
固定化されていない自己資本は「カバー取引」「自己勘定取引」の影響も受けることです。
FXは相対取引であるから、業者が、顧客のポジションの反対のポジションを持つことになります。その状態は非常にリスキーです。
そこで、カバー取引を行って、相対取引によるポジションのリスクを回避しておきます。
ところが、カバー取引は、業者によってやり方が違います。
一定額もしくは一定時間経過後にカバー取引を行う場合があります。
リスクポジションを持つことになるわけです。
そのようなカバー取引や自己勘定取引によるリスクポジションは評価損益として反映されるため「固定化されない自己資本」が増減します。
リスク相当額(分母)
簡単に言うと、
「リスクにさらされている資産の額」です。
とくに金融商品のポジションを保有していると、市場の価格変動によって、大きく資産が損なわれる可能性があります。
リスク相当額=市場リスク相当額+取引先リスク相当額+基礎的リスク相当額と表されます。
| 項目 |
細目 |
補足 |
算定基準等 |
| リスク相当額 |
市場リスク相当額 |
保有する有価証券等の価格の変動その他の理由により発生し得る危険に相当する額 |
外国為替リスク:
通貨ごとのネット・ポジション額の8%
※ネット・ポジションとは、ロングとショートの差によって求められるポジション。リスクのあるポジションのこと。 |
| 取引先リスク相当額 |
取引の相手方の契約不履行その他の理由により発生し得る危険に相当する額 |
別表第十四から別表第十六を参考にリスク・ウェイト率を乗じる |
| 基礎的リスク相当額 |
事務処理の誤り等日常的な業務の遂行上発生し得る危険に相当する額 |
計算を行う日の属する月の前々月以前一年間の各月の営業費用(給料、地代・家賃、光熱費、宣伝費、交通費、通信費など。) |
※詳細な説明は
「金融先物取引業者の自己資本規制に関する内閣府令」
http://law.e-gov.go.jp/haishi/H17F10001000076.html
市場リスク相当額は、
『保有する有価証券・外国為替ポジション等の価格の変動等により発生するリスクに相当する額』です。
自己勘定取引を行っている業者でも、それほど大きな数字にはなっていません。
市場リスク相当額は、どのFX業者も非常に小さい数字になっています。
自己勘定取引を行う業者では、リスク管理ルールがあるので、それにそって運用されているからです。
自己資本規制比率を、あるレベルまで下げないように、ルールが決まっており、翌日まで、リスクポジションを持たないようにしていると考えられます。
しかし完全に、ゼロになるとは限りません。自己勘定取引などの為替ポジション以外に有価証券などを保有している場合があるからです。
自己資本規制比率の意味
「リスク相当額以内で、損害が納められる」と仮定します。
リスク相当額より多い金額を保有していいれば、その分のお金で営業を正常に行うことができると考えられます。
そして、リスク相当額を超えるような事態があったとしても、「固定化されていない自己資本」が多額にあることで、その仮定以上の不測の事態にも対処することができます。
100%より高い自己資本規制比率が求められるのはこのためです。
FX業者の資金に余裕があることで、
・カバー取引が正常に行われる
・顧客利益の未払いの防止
・出金依頼へも即応できる
というように、どんな時でも安定した営業が行われるということです。
自己資本規制比率が高ければ高いほど、顧客にとっては安心できる業者であると言えます。
(すべての業者が正直に情報開示しているならば…)
※参考資料:
金融先物取引業者の自己資本規制に関する内閣府令
http://law.e-gov.go.jp/haishi/H17F10001000076.html
金融先物取引法施行規則
http://law.e-gov.go.jp/haishi/H01F03401000018.html
総合取引参加者の自己資本規制比率
http://www.tse.or.jp/about/participants/shihon.html
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